チーム課題の“情報オープン化”と自走する文化づくり

マネジメント

マネジメントをしていると、「この課題は自分で抱えて解決しなきゃ」と思い込んでしまうこと、ありませんか?
実は私も、マネージャーを始めたばかりの頃はそうでした。
でも、経験を重ねる中で思ったんです。
「チームの課題は、マネージャーだけで抱え込むものじゃない」
むしろ、オープンにして、チーム全員で向き合った方が、圧倒的にチームが強くなる。

今回は、私が意識してきた「課題の情報オープン化」と、それによって生まれたチームの自走力について、経験を交えてまとめてみます。


情報を“隠さない”スタンスがチームを変える

私のチーム運営で、ひとつ大切にしてきたのは、
「課題はなるべく全部チームに共有する」 という姿勢です。

もちろん、プライバシーや人権に関わる繊細な内容は別です。
ただ、業務上の課題や、会社からのミッション、チームに与えられたKPI、方針転換の話など、
「知ることでみんなの行動に影響が出ること」は基本的にオープンにする という方針を持っていました。

よくあるのは、上司だけが課題を抱えて、必要最低限のことしか部下に伝えないパターン。
「ここは自分が考えるから、とりあえずこれやって」みたいに。
確かにその方がスムーズな時もありますし、正解がひとつというわけではありません。
でも私は、
「全員でチームを運営する感覚」を持ってほしい
と思っていました。


課題を共有すると「一緒に考える空気」が生まれる

課題をオープンにすると、チームのみんなが「自分ごと」として受け止めてくれるんです。
たとえば、ある時期、部署のKPIが全然達成できていなくて、会社からプレッシャーがかかってきたことがありました。
正直、上からの数字目標って現場メンバーにとっては他人事になりがちです。

でも私は、そのままをチームに話しました。

「今期、これだけ数字が足りてない。達成できないと会社全体にも影響が出てしまう。どうしたらこの状況を打開できるか、一緒に考えてほしい。」

最初は「え、そこまで言っちゃうんだ」といった反応もあったりしますが、
そういう人もだんだんと「それなら自分がこれをやってみます」とか、「こっちの業務を早めに終わらせて時間を作れます」みたいに、自然とアイデアや提案が出てくるようになったんです。


チーム全体で課題解決に取り組むと「ゲーム感覚」が生まれる

個人的には、チーム運営って「みんなでやるゲーム」に似ていると思っています。

「これをクリアしないと次に進めない!」みたいな難題を、
「さて、どうやって突破する?」ってチーム全員で考える時間は、ある意味楽しい時間でもあるんです。

だからこそ、課題をマネージャーだけが抱えてしまうのはもったいない。
みんなで「どうしよう?」って悩んで、考えて、工夫して、達成していく。
その過程で生まれる達成感は、確実にチーム全体の成長につながります。


課題共有のために意識していたポイント

私が課題をオープンにする際に気をつけていたのは、次のようなポイントです。

1. 「なぜ共有するのか」を説明する

ただ課題を投げつけると、「え、急に?」と受け止められがちです。
なので私は、「基本的にチームはみんなで一緒に作っていきたい」「チームは私のものではなく、みんなのもので居場所だと思っている」「だからみんなの意見が必要なんだ」というように、なぜ共有するのかの理由をまず初めの段階で伝えていました。

2. 責任を押し付けない

課題を共有する=責任を押し付ける、ではありません。
基本的にチームの責任を持つのはマネージャーの仕事です。
そこは腹をくくったうえで、メンバーに課題共有をし、意見を求めましょう。
「責任は自分がとるから課題解決のアクションは何でもどんとこい」
「どんな案でも出してみてほしい!細かい実現方法はみんなで一緒に考えよう」
といったスタンスで話すことで、安心感を持ってもらえるようにしていました。

3. 小さなことでも意見を求める

課題の大小に関わらず、
「これどう思う?」
「他に良い方法ないかな?」
と、普段からメンバーに意見を求めるクセをつけておくと、
いざ大きな課題が来た時も自然と「一緒に考える空気」が生まれやすいです。
日々コミュニケーションをとることにもつながるので一石二鳥です。
それくらい自分で考えろ!よみたいなことばかり聞いて
メンバーの仕事邪魔をするのは違うので、そこはいい塩梅で頼ってください。


情報を隠さないと「自走する文化」が育つ理由

課題をオープンにすることで、メンバーは「自分がどう貢献できるか」を自然と考えるようになります。
何も知らされずに指示を待つだけだと、「上の人が決めたことだから」「自分には関係ないし」と他人事になりがちです。

でも、情報を知っていると、

  • 自分の強みを活かして助けられることがある
  • 周りの大変さを理解できるから助け合おうと思える
  • チーム全体の動きを見て行動できる

こんな意識が芽生えます。
これが、いわゆる「自走する文化」の土台になるんです。


おわりに|チームの課題は「みんなの課題」

「課題を抱え込まない」と言うと、なんだか弱いマネージャーに思われるかもしれません。
でも私は、課題をオープンにして「みんなで一緒に考えるチーム」を作る方が、よっぽど強いチームになると思っています。

もちろん、決めるべきところはマネージャーが決める。
でも、そのプロセスを一緒にやる。
チームで作戦会議をする感覚で課題に向き合うと、自然と「みんなでチームを育てていく」文化が育つんじゃないかと思います。


関連記事

📌 筆者について
みそまねの自己紹介はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました