“あの人に聞けばわかる”が生まれるチームづくり|チーム全体が頼られる文化のつくり方

チームビルディング

「この件、誰に聞いたらいいんだろう?」

社内でそんな空気が流れたとき、自然とメンバーの名前が挙がる
それが当たり前になっているチームは、間違いなく「強いチーム」です。

逆に、全部マネージャー宛に質問が飛んでくる状態は、
一見頼られているようで、実はマネージャーにもチームにも無理が出てしまいます。

今回は、私がマネージャーとして実際に目指していた
**「チーム全員が“頼れる存在”になる運営の仕方」**について、具体的にご紹介します。


“上に聞くのが正解”が生む、マネージャー過密問題

よくあるのが、他部署の人が専門的な質問をしたいとき、
「マネージャーに聞けば間違いないだろう」と思って連絡してくるケース。

上司を通すのが礼儀、という意識もあるかもしれませんが、
これが頻繁に起こると、マネージャーの対応がパンクしてしまうんです。

本来、手を動かして現場を知っているのはメンバー。
むしろ、メンバーの方が現場に近く、適切な回答をできることも多い。

だから私は、「質問は自分ではなく、メンバーに直接行ってもらう」
そんな“マネージャー以外が頼られるチーム”を目指していました。


目指したのは「全員が誰かに頼られるチーム」

しかも、それを一部のスーパープレイヤーに限定するのではなく、
チームメンバー全員が、社内の誰かしらに頼られる存在になること。

そうすることで:

  • マネージャーの負荷が分散
  • メンバーに責任感と自覚が芽生える
  • 社内との接点が増え、信頼のネットワークが広がる

結果として、自走力が高く、風通しの良いチームができていきました。


ポイント①:得意を見極め、外にも発信する

この文化をつくるうえで大切なのが、メンバーの強みを正しく把握し、見える化すること

例えばこんな風に対応していました:

  • 顧客対応が丁寧で信頼関係構築が得意な人 → 対外的な質問窓口に
  • 資料作成やまとめが得意な人 → 社内プレゼンや提案書づくりの先導に
  • チーム内での人間関係構築が得意な人 → 横断的なプロジェクトの調整役に

そして、社内への発信も重要

  • 他部署から質問が来たとき:「それ、○○が詳しいから直接聞いてみて」
  • 社内の全体会議で:「今回の業務の窓口は△△さんなので、何かあればそちらへ」

こんな風に、あえて自分ではなくメンバーの名前を出すことで、
外部にも「このチームにはいろんな頼れる人がいる」と印象づけていきました。


ポイント②:誰かが聞かれたら“チームで共有”が基本

「個人に相談が来たら、その人が勝手に対応して終わり」では、情報が偏ります。

だから私のチームでは、誰かが他部署から相談を受けたら、必ずチームに共有するルールを設けていました。

Slackでの簡易共有でもいいし、週次のチームMTGでの口頭報告でもいい。

それによって:

  • 他のメンバーも「今こんな相談が来ている」と状況を把握できる
  • 別の視点でアドバイスを出せる
  • 次に同じような相談が来たとき、複数人で対応できる

という柔軟な対応体制が整っていきます。


ポイント③:「一人で抱えない体制づくり」が文化を支える

メンバーが誰かに頼られるようになると、属人化のリスクも出てきます。

それを防ぐために私がやっていたのが、必ず“補佐役”をつける運用です。

  • 質問窓口を任せた人には、影で補佐できるジュニアをつける
  • スキルトランス(ナレッジ共有)を日常的に行う
  • 業務を複数人で行い、“その人しかできない状態”を作らない

たとえば、誰かが発表や説明を行うときには、もう一人がその場に同席して、内容をキャッチアップ。
あとで振り返りも行い、「次はあなたが説明できるように」と少しずつ経験値を渡していきました。

地道ではあるけれど、こういった補完体制の構築が
「頼られるけど属人化しない」状態を支えるんです。


おわりに|“聞かれる人”が育つと、チームが変わる

「あの人に聞けばわかる」
そんな存在がチーム内に何人もいると、職場の空気はガラッと変わります。

  • 誰に聞けばいいか迷わない
  • マネージャーの手を借りずともメンバー間で問題解決できる
  • 相談されることでメンバー自身が自信を持てる

チーム運営は、マネージャーが全部を背負うよりも、
「みんなで支え合いながら強くなる」方が、はるかに持続可能です。

頼られる人を増やすことは、責任を育てること。
そしてそれが、チームの底力を底上げすることにつながっていくと私は信じています。

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