マネージャーをやっていると、自然と「上司」「部下」という言葉や立場を意識しがちです。
とくに自分が若手マネージャーだったころは、年上メンバーやベテラン社員とどう接したらいいか、けっこう悩みました。
でも、いろんなチームを見てきて思うのは、
「人間の価値に上下はない」という考え方が、チーム全体の力を引き出す一番のコツだということです。
役割や肩書きは“会社の事情”でしかない
もちろん会社には役割分担や評価制度があって、
マネージャーという役割には意思決定や管理責任がついてきます。
でも、その“役割”と“人間としての価値”は全然別のもの。
「上に立つ人が偉い」わけじゃないし、「若手は下だから黙ってろ」なんてこともありません。
みんなそれぞれ、違う得意や個性を持っているだけです。
どんな人でも「リスペクト」が大前提
たとえば、年下のメンバーがITスキルに長けている。
ベテランのメンバーが“社内調整”や“根回し”が得意。
新人さんが人と人をつなぐムードメーカーになることもある。
どの役割も「必要」だし、どの人も“チームを成り立たせるために不可欠”なんです。
だから私は、「誰に対してもリスペクトを忘れない」っていうスタンスを徹底していました。
- 意見が違っても一度ちゃんと聞く
- 指摘やアドバイスも相手を下げない言い方を心がける
- 感謝や「ありがとう」をきちんと伝える
こういう小さな積み重ねで、チームの空気はすごく変わってきます。
上下関係を感じさせない日常の工夫
あだ名で呼び合う
「〇〇さん」じゃなくて、チーム内ではできるだけあだ名で呼ぶようにしていました。
そうすることで、距離感がぐっと縮まります。
まるで友人のように接することができるので、本音を言い合いやすい仲になってきます。
正直、あだ名に抵抗がある人はいると思います。
会社の中での馴れ合いを嫌う人ももちろんいます。
なのでそこは無理をせず、
距離が縮まった際に軽いあだ名で呼んでみて、
難色を示さなかったらそのまま呼ぶようにしていました。
まあ、プライベートの友達でもそうだと思うので
同じように接すればいいと思います。
雑談の場では“役割”を忘れる
雑談タイムでは、役職や立場を忘れて「ただの人」として話す。
家族の話や趣味の話、最近の失敗談など、上司もメンバーも関係なくフラットに盛り上がるようにしていました。
話題に困らないよう、自分から話を広げつつしっかりとメンバーに話を振る、場を回す。
そんな何気ない気づかいをしながら、
友達や仲間と談話するように、雑談の場を楽しんでいました。
ミーティングで全員に発言権
ミーティングの際によくあるのが
ベテランの決まったメンバーばかり話をして
他の人は聞いているだけ。
そんなミーティングは正直意見が偏るし、
黙っている人が実は持っている素晴らしいアイデアを逃して
機会損失になっている可能性があります。
「この話、△△さんどう思う?」
「新人の□□くんはどんな意見?」
年齢や立場関係なく、全員の声を拾えるよう発言の機会を与え、
意見を発信することに慣れてもらえるようにしていました。
そしてベテランにも全員にお願いしていたのは
頭ごなしに否定をしないこと。
必ず誰の発言であろうと一度飲み込み、受け入れたうえで自分の意見を発する。
この約束をすることで、年下・新人関係なく活発な意見交換ができるようになります。
失敗談をオープンにする
マネージャーが「実は私も昨日やらかしたんだよね」と失敗談をさらけ出すと、
「上司でもミスするんだ」と思ってもらえるし、
自然と「ここは本音を話しても大丈夫な場なんだ」と感じてもらいやすくなります。
年齢が上でも下でも失敗はするし、所詮おんなじ人間だと思ってもらえれば
誰でも気が楽に接することができるかと思います。
「上下」が強すぎると起こる“もったいない”弊害
- 本音や新しいアイディアが出てこなくなる
- ミスが隠されて、問題が大きくなる
- メンバー同士がギクシャクする
- チャレンジする人が減る
特にトラブルがあったときなんかは、
「マネージャーが怖いから報告できない」とか、
「また怒られるからチャレンジしない」みたいな空気になりがち。
これ、本当にもったいないです。
“上下関係をつくらない”ために大切にしてきたこと
- 敬意を忘れない態度・言葉遣いを徹底する
どんなに若手・ベテラン関係なく、言葉のトーンやリアクションに「見下し」「偉そう」な雰囲気が出ないよう、意識していました。口調を柔らかく、「ありがとう」「助かった」を日常的に伝える。 - 「上司/部下」というラベルを会話で持ち込まない
ミーティングや日常会話で、「自分は上だから」的な物言いは避けていました。「こうしてみない?」とか「どう思う?」と“相談ベース”で話すことで対等なやりとりを意識。 - 全員に発言のチャンスを平等に与える
会議で黙りがちな人にも「どう思う?」と必ず声をかける。「新人だから」と発言を遠慮させないし、年齢や役職で優先することもなし。発言後も、否定から入らずまず「なるほど」と受け止めてから自分の意見を足す。 - 失敗やミスに“上下”の罰を与えない
ミスしたときこそ、「大丈夫。みんなミスするよ」と声をかけて、そのあとの対応やリカバリーをみんなで考える。「誰が悪いか」より「どう立て直すか」に意識を向けていました。 - “肩書き”で接しない/あだ名や名前で呼び合う文化
チームだけのときは下の名前やあだ名で呼ぶことで、空気をゆるく、フラットにしていました。
まとめ:「上司と部下」じゃなく、「仲間」として向き合う
マネージャーの仕事は、“上に立つ”ことじゃなくて、
“チームが自立してまわる土台をつくる”ことだと思っています。
「人としての価値は上下なし」
この意識をチーム全体に根付かせていくことで、
メンバー同士も自然と助け合い、本音で動けるようになります。
今回お話しは「私が若手マネージャーだからできたのだろう」と思われるかもしれません。
しかし、私が尊敬していた上司の方は、
「上司」という感じではなく、「兄貴」や「お父さん」のような感じで、
役職で押さえつけるのではなく年上の家族のように接してくれていました。
やはりチームの士気は高かったし、メンバー全員のポテンシャルを
うまく生かしていたように思います。
そしてその方たちは30代後半、40代、50代と私よりも年上の男性の方々でした。
なので、年齢関係なく実践できることかと思うのでご安心ください。
上下関係を強調せず、「みんなで成果を出す」スタイル、
ぜひいろんな現場で試してみてほしいです。
誰かの参考になれば嬉しいです!
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