マネージャーが“やらなくてよかったこと”リスト|やりすぎ・出しゃばりを手放した話

マネジメント

マネージャーになったばかりの頃、
「全部自分でコントロールしなきゃ」「みんなを守らなきゃ」と気を張っていた時期がありました。

けれど今振り返ると、自分や周囲のマネージャーの経験から学んだ「むしろ“やらない方がチームがうまくいった”こと」もたくさんあったなと思います。

この記事では、「やりすぎて失敗したこと」「やらなくてよかったと気づいたこと」を具体的に紹介します。


1. メンバーの仕事に手を出しすぎる

サポートが足りなくなることも、任せっきりもよくないけれど、
「メンバーが忙しそう」「悩んでいそう」と感じると、つい自分が手を貸してしまうこと、ありませんか?

実際、私も“困っていたら即フォロー”をしてしまっていたことがありました。

でもそれを続けていると、「困ったときは全部上司がなんとかしてくれる」という空気が生まれやすい。

結果的に自分の仕事量が増えるだけでなく、
メンバーが「自分で最後までやり切る経験」や「スキルアップする機会」を失ってしまいます。

実感エピソード
以前、案件でまだ経験が浅いメンバーが苦戦していたことがありました。
当時の上司はつい心配になり「ここ自分でやるよ」とよくタスクを肩代わり。
その場はうまく回るけれど、時間がたってもメンバーが成長しない。
挙句の果てに“できない人”レッテルを張られてしまっていました。
自分から仕事もしなくなるので、タスクの奪いすぎはよくないと感じました。

いい塩梅で「任せて見守る」ことが大事だと思います。
本当に困ってSOSがあったときは全力でサポートして、メンバーの手で最後までやりきらせる。
その経験がメンバーにとって大切な成功体験に繋がるはずです。


2. 全部自分で決めてしまう

「早く決めないと進まないから…」と、何か迷いが出るたびに
マネージャーが結論を出してしまうケース、意外と多いです。

最初のうちは「頼りになる上司」みたいに見えるかもしれませんが、
実はメンバーの“主体性”を奪う原因にもなります。

なので、メンバーに考えさせる。本人の口から意見を述べさせる。
そういう機会を作るように意識していました。

  • 「どうしたらいいですか?」と聞かれた時も、すぐに答えを出さず「どう思う?」と返してみる
  • 自分なりに考えたうえで提案してもらい、一緒に答えを探す

実感エピソード
プロジェクトの進め方で迷った場面で、
「どっちがいいと思う?」とメンバーに振ってみたら、
自分では思いつかなかった切り口やアイデアが出てきて、
メンバーの意見通りに進めることに。
結果お客様にも喜んでもらえ、アイデアの発案者であるメンバーもお客様に気に入られることになり、追加案件の受注に繋がりました。
「任せてみることで、チームが強くなるんだな」と実感した体験です。


3. 声かけ・フォローが“おせっかい”になりがち

良かれと思って「大丈夫?」「困ってることない?」と
声をかけるのも、頻度が高すぎると逆効果になってしまうことがあります。

  • 「また声かけられた…」とプレッシャーに感じたり
  • 逆に「見張られている」と捉えられてしまう

タイプによって、望む距離感は全然違う。

だから、「困ったらすぐ教えて」「サポートは全力でするから」とだけ伝えて、普段は“あえて放っておく”くらいがちょうどいいメンバーも多いと思います。

実感エピソード
心配性な上司に、毎日何度も進捗を確認されていました。
ただ、それが私にとって窮屈で、うっとおしかったです。
自分のタスクの優先順位を変えてまで、上司の望む仕事を優先して実施していたことがあります。
「自主的に考えて行動ができない」「上司の顔色をうかがう」「信頼されていないんだと感じる」
そう思ったことが実際あるので、過干渉は良いことないなと感じました。


4. ミスをすぐにカバー・フォローする

メンバーが小さなミスをしたとき、
「バレる前に自分で直しておこう」とカバーしてしまうことがありました。

でも、失敗から学ぶチャンスや、「自分でケツを拭く経験」を奪ってしまうと、
長い目で見て成長を妨げてしまいます。

  • まずは本人に気づいてもらう
  • 必要なときだけ「一緒に考えよう」とフォローする

実感エピソード
ある新入社員が資料作成で誤字を多発。最初はこっそり修正していましたが、
「自分で見直して直すクセをつけよう」と伝えてから、確認をする癖がつき、ミスが激減しました。


5. すべての会議ややりとりに同席する

「全部見ていないと不安」と思い、
ありとあらゆる会議やチャットに顔を出してしまうかもしれません。

けれどそれは、だんだん自分が“ボトルネック”になってしまう場面も増えていきます。

  • メンバーだけで決められることも、自分の一声待ちになる
  • 結局「上司がいないと進まない」チームになりがち

「自分がいなくても回る仕組み」を作る勇気も大事。

安心して任せられるメンバーが増えてきたら、
「ここはみんなに任せるね」と、あえて同席しない機会をつくるようにしました。

実感エピソード
勇気を持って全員の会議から少しずつ外れていったら、
「自分たちで決めてみよう!」とチームがぐっと自走しはじめました。
任せられている感覚もあるので、アウトプットされる仕事の品質も高くなったように思います。


おわりに|“やらない”ことでチームが強くなる

マネージャーは「全部抱え込む役割」じゃなくて、
「任せて、成長を見守る役割」でもあるんだと思います。

最初は不安や心配が多くても、
少しずつ手放してみると、思いがけないほど
メンバーの成長やチームの変化を実感できるはず。

「やらなくてもいいこと」「やりすぎてないかな?」と感じたときは、
一度立ち止まって、自分の“手放しポイント”を見つめてみるのもおすすめです。

関連記事


📌 筆者について
みそまねの自己紹介はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました