「問題社員」とどう向き合う?マネージャーがやっていた現場対応のリアル

マネジメント

マネージャーをしていると、必ずと言っていいほど出会うのが、
「なんかこの人、やりづらいな…」
「いわゆる“問題社員”かも?」
と思ってしまうようなメンバー。

攻撃的だったり、非協力的だったり、仕事をサボりがちだったり…。
いわゆる「モンスター社員」と呼ばれてしまいそうなタイプの人にどう向き合うかは、
マネジメントの中でも特に難しいテーマのひとつだと思います。

私自身も「もう無理かも」と思ったことが何度もあるし、
正直、めちゃくちゃストレスがたまるし、疲れる。

でもだからといって放置していい問題ではないんですよね。
今回は、そんな問題社員にどう向き合うか、私が現場でやっていた対応の実体験と、
今振り返って「こうしてよかった」と思うポイント
をまとめます。

※私なりの考えなので、もちろん「こうしなきゃダメ!」というわけじゃありません。
ただ、もし今、困っている人がいたら「こういう考え方もあるんだ」と、
何かの参考になれば嬉しいです!


まず大前提:向き合うのは大変。でも、それもマネージャーの仕事

「めんどくさい」「しんどい」「できれば関わりたくない」
これが本音だと思います。私もそうだった。

でも、問題社員を放置すると、
・チーム全体の士気が下がる
・他のメンバーが不満を持つ
・トラブルの火種が大きくなる
…と、結局はもっと大きな問題になります。

だから、どんなにストレスが溜まってもしんどくても、
「問題社員にも向き合うのがマネージャーの仕事」と割り切っていました。

もちろん、抱え込みすぎないことも大事
たまには会社と関係ない人に愚痴を吐き出したり、
自分なりのストレス発散方法を持っておくのもすごく大切です。


問題社員対応の基本ステップは「受け止め→改善→経過確認→必要なら制度に則った対応」

どんなタイプの問題メンバーでも、私が意識していた対応の流れは一緒です。

まずは対話する
→仕事やチーム、会社に対してどう感じているか。どこに不満やストレスを感じているのか。何が好きで何が嫌いなのか。とにかく話を聞いて受け止める。
受け止めて、受容する
→「なるほど、そう思ってたんだね」「わかるわかる」と否定せず一度受け入れる。
自分の意見もあるかもしれないけれど、絶対感情的にならずとりあえず聞く。
改善案を一緒に考える
→「じゃあどうしたらいいか」を冷静に話し合い、具体的な改善行動を決める。
相手と改善案を組むこともあれば、外からのアプローチを改善することもある。
改善の経過をしっかり確認する
→改善対応がうまくいっているか、しっかりと寄り添いながら確認していく。
折を見て振り返り、必要なら再度対話する。
それでも改善しない場合は、評価を利用したり人事制度に則って対応する
→「このままでは評価したくてもすることができない」ということを
目標設定や評価基準を根拠に話し反映していく。
(👉目標設定のコツはこちら
もしくは会社のルールや人事制度に基づいて、会社・上層に対応をゆだねていく。

さらに、問題が大きい場合や自分だけで解決が難しそうな場合は、
早い段階で上層部に相談・報告を上げておくことも必ずしていました。


タイプ別|私が向き合ってきた「問題社員」への対応例

【攻撃的なタイプ】

  • 特徴
    プライドが高く、他人を見下す。指摘を受け入れない。
    年下や女性、新人マネージャーに対して強く出がち。
    時には「ハラスメント」を盾にして反撃してくることも。
  • 心の奥を想像すると
    「自分が下に見られたくない」「過去に認められなかった悔しさ」が根底にあるのかも。
    実は「認められたい」気持ちの裏返しであることも多いと思う。
  • 私が意識していた対応
    この手のタイプで仕事ができる人であれば、
    めちゃくちゃ強い味方になってくれる可能性を含んでいます。
    まずはしっかり話を聞いて、「あなたの意見を尊重しています」というスタンスを見せる。
    得意なこと、貢献してくれていることを具体的に褒めて、
    「頼りにしている」という気持ちを積極的に伝える
    そうして距離を詰めていくことを意識していました。

ただし、下手に出すぎる必要はありません。
必要な指摘や改善要望は、冷静に、事実と論理をもとに伝える。
怒らず、感情的にならず、あくまで「対等な立場での建設的な対話」を意識することが大事だと思います。
(参考👉:柔と剛のバランスって?


【非協力的なタイプ】

  • 特徴
    会議に参加しない・発言しない。
    懇親会にも来ない。人を助けない。
  • 心の奥を想像すると
    「なじめない」「誰かに認めてもらえない」寂しさやコンプレックスがあることも。
    ただ、チームでやっていく以上、協力が必要な場面は必ずある。
  • 私が意識していた対応
    まずは1対1でしっかり会話して、本人の価値観や得意・不得意を確認。
    「味方ですよ」というスタンスを崩さず、信頼を得ることを大事にしていました。

それでも心を開かない場合は、チームの協力を得るのも手です
「この人、孤立しがちだから一緒にランチ誘ってくれる?」
「ちょっとこのタスク、2人で組んでやってみてほしい」
と、周りのメンバーにも協力をお願いしていました。

どうしても協力が得られない場合は、
「業務上、協力は必要なこと」と伝え、最終的には業務命令として協力を求めることも必要です。
ただし、その際も評価するところはしっかりと評価し、
「敵対するつもりはない」「味方です」というスタンスは持ち続けるようにしていました。


【さぼりがちなタイプ】

  • 特徴
    納期を守らない、仕事をサボる、遅刻が多い。
    仕事よりプライベート優先、やる気がない。
  • 私が意識していた対応
    これもまずは会話から。
    「仕事に対する価値観」などを丁寧に聞いていく。
    でてきた意見や言い分は一旦は受け止めた上で、
    「でも会社に所属するために必要なルールは守らなきゃね」ということはしっかり伝える。

その上で、
興味を持てそうな仕事を振ってみる
良いところを見つけて褒める
小さな成功体験を積んでもらう

などで少しずつ関わりを深めるようにしていました。

正直、やることをしっかりやって結果を出していれば、
余っている時間は最悪さぼっていてもいいと私は思っています。

ただ、それを伝えたうえでも、結果が返ってこない場合は、
「成果が出ないのであれば評価に反映せざるを得ない」と伝え、
最終的には評価制度に則って判断していました。
ここも評価の作り方の記事を参考にしてもらえると良いと思います。
(👉目標設定のコツはこちら

遅刻に関しては会社の制度で懲戒処分を食らうこともあったりするので
そこは事前に本人にも会社のルールを説明しておきましょう。


【向上心がないタイプ】

  • 特徴
    スキル不足なのに自覚がない。
    好きな業務以外やらない。できないことは他の人任せ。
  • 私が意識していた対応
    これも基本は対話から。
    「この業務、今どう感じてる?」
    「どこが得意で、どこが苦手だと思う?」
    を問いかけながら、本人に気づかせるようにしていました。

ただ、どうしても現実を受け入れられない場合は、
一度「できると思っている仕事を主担当で任せてみる」こともしていました。
まあ、「鼻をへし折ってやる」ということです。
失敗を経験してもらうことで、「今の自分に何が足りないか」を実感してもらう狙いで適切な業務を振り分けます。

そこで失敗やトラブルに見舞われた際は、手助けはすれども
しっかりと最後まで自分でリカバリーを遂行させましょう。

もちろん、丸投げではなく、必ずベテランや自分が補佐に入って最悪フォローできる体制を整えていました。
その後は一緒に振り返りをして、「次はこうしてみようか」と改善策を練ります。


【精神的に不安定なタイプ】

  • 特徴
    明らかに様子がおかしい、体調が悪そう、薬を多用している。
    言動が不安定で、周囲が不安を感じる。
    私がいた業界はよく人の心が病んでいたので、たまに様子のおかしい人もいました。
    (会社の備品の頭痛薬がめっちゃ減るとかで問題になったり…)
  • 私が意識していた対応
    こういう人は、もう個人でどうこうできません!
    「無理しないで」とまずは声をかけつつ、
    必ず上司もしくは人事に報告し産業医面談を促しましょう。
    必要なら休職を勧めることも視野に入れていました。
    この場合、まじで上層部への相談はお早めに。

おわりに|「柔と剛の気持ちのバランス」を意識して、理性的に向き合う

問題社員への対応ってほんとにしんどいし、
人によって対応も違うので、正解やマニュアルはなく困ってしまいます。
ただ、私が思うのは、「下手に出すぎず、でも冷静に、理性的に」向き合うことが大事だということ。

柔らかく受け止める部分(柔)と、
必要なことをしっかり指摘して改善を促す部分(剛)、
この「柔と剛のバランス」がめちゃくちゃ大事です。
(参考にしてね👉:マネージャーとして意識していた柔と剛のバランス

最終的にどうしても改善できない場合は、
評価制度や会社の仕組みに沿って適切に対処するしかありません。
そこも「個人的な感情ではなく、あくまで会社のルールに基づいて判断している」というスタンスを持つことが、
自分自身を守る意味でも大切だと思います。

また、自分が必ず更生させなきゃ!そんなヒーローのような気持ちは持たなくていいです
個人ができることには限界があります。
解決できずにメンバーが辞めてしまったり、処分を受けたりすることもあります。
でも、それでいいんです。
その人はその人のタイミングで必要なことを学びます。
ただそれが、今この機会じゃなかっただけです。
なので、マネージャーは自分なりにできることを最大限やっていれば十分です。


私も何度も悩んできたからこそ言えるけど、
問題社員と向き合うのはめちゃくちゃしんどいし、ストレスも半端ない。

でも、そこで逃げずに向き合った経験が、
最終的に「チームを強くする力」になったと感じています。

無理せず、適度に力を抜きながら、
「理性的に、でもあたたかく」
そんな姿勢で、目の前の人と向き合っていけたらいいなと思います。

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