仕事をしていると、どうしても避けられないのが“トラブル”。
どれだけ準備していても、
人が関わる以上、ミスや想定外は起きてしまいます。
私がマネージャーだった頃も、
チームやプロジェクトで何度もトラブルに直面しました。
今回は、そんなときに私がマネージャーとしてやっていたことをまとめてみます。
他の業種の方にも参考になるように、
基本的な考え方を中心にお話しします。
まずは、事実を冷静に把握する
私がいた会社は、法人向けにITサービスを導入するBtoBのビジネス。
お客様に迷惑がかからないよう、チーム全体で注意を払っていましたが、
それでもトラブルがゼロにはならないのが現実でした。
ミスが起きたとき、最初に私がやっていたのは、
とにかく事実ベースで状況を正確に把握することです。
特に以下の点を素早く丁寧にヒアリングしていました:
- 何が起きたのか(操作内容やエラーの詳細)
- 影響範囲(顧客社内だけか、顧客の顧客にも波及しているか)
- お客様への報告状況(連絡済みか、反応はどうか)
- リカバリー期限(いつまでに復旧が必要か)
- 手順とリソース(必要な作業・人材・部門の支援)
この段階では、感情を挟まずに、冷静に状況を整理することが最優先でした。
怒らない。まず聞く。落ち着いて判断する。
メンバーに過失があるように見える場合でも、
私は決して怒鳴ったり、責めたりはしませんでした。
人間なので、間違うことはある。
マネージャーである自分がやるべきは、
「責任の追及」よりも「被害の最小化」だと考えていたからです。
そのため、ミスが発覚したらまず:
「大丈夫。とりあえず一緒に整理しよう」
この一言だけで、メンバーのパニックはだいぶ落ち着きます。
マネージャーの役割は“全体を動かす”こと
メンバーが現場でリカバリーに集中できるよう、
私はこんなふうに動いていました:
- 必要な人員を他部署から確保する
- 経営層や上司に状況・影響・対応方針を報告する
- 謝罪・連絡が必要な場合は、自分が責任を持って行く
- 万が一のときの代替案・最悪シナリオも想定して動く
つまり、
「目の前で手を動かす」のではなく、 「仕組みと人を動かす」側に徹するという意識です。
その場で現場に入って動くよりも、
チーム全体がスムーズに進むように“裏側”を引き受けるほうが大事だと思っていました。
メンバーのメンタルは、必要最低限だけ立て直す
もちろん、ミスをしたメンバーが落ち込むこともあります。
泣いてしまったり、自信を失ったりすることもある。
そんなとき:
「大丈夫大丈夫。誰にでもあることだし。とりあえず今やることやろう」
といった言葉で、素早く最低限メンタルを立て直すようにしていました。
慰める言葉も適宜使いつつ
“冷静に現実を受け止めよう”という空気を一緒に作ることが大切だと思います。
トラブル対応が終わったあとは、“余白の時間”をつくる
急場を乗り越えたあと、私はできるだけ
チームメンバーと少しの休憩時間をとるようにしていました。
仕事とは別の、ちょっとだらっとした雑談の時間。
たとえばカフェに一緒に行ったり、
お菓子をつまみながらしゃべったり。
そういう時間をとると、
自然と「今回の件で反省したこと」「次にこうしたいね」という話が出てきます。
怒鳴らなくても、ちゃんと伝わる。
丁寧に話せば、相手はちゃんと受け取ってくれる。
私はそんなふうに思っています。
🔁 トラブルが起きたとき、マネージャーとして行っていた対応の流れ
- 状況を正確に把握する
何が起きたか、誰に影響が出ているかを冷静に整理 - メンバーを責めずにまず話を聞く
パニックを落ち着ける、安心させることが最優先 - お客様や関係各所への対応状況を確認する
報告済みか?反応は?対応方針は?を把握する - リカバリーに必要なリソースを即時判断・調整する
人手・知見・他部署の支援を巻き込みながら体制を整える - 現場はメンバーに任せ、自分は社内の報告・判断・謝罪を担う
メンバーが集中できるように“裏側”を引き受ける - メンバーのメンタルフォロー(必要最低限)を忘れずに
落ち込ませない声かけ → 作業へ戻す流れをつくる - 対応が終わったら、振り返りのための“余白の時間”をつくる
反省や改善は、心が落ち着いてからのほうが深くできる
この流れを意識していたことで、
どんなトラブルが起きても、チームで乗り越えられる体制が自然とできていた気がします。
おわりに|マネージャーが冷静でいることの意味
トラブル時こそ、マネージャーが慌ててしまうと、
チームも余計に混乱してしまいます。
だからこそ、私は「感情は置いておいて、まずやるべきことをやる」という姿勢を意識していました。
あのとき、どれだけ落ち着いて動けたかで、
チーム全体の信頼感も変わった気がしています。
これは私がいた業界の話ではあるけれど、
人が関わる限り、どんな業種でも「判断・整理・共有」は必要だと思います。
少しでも誰かの参考になれば嬉しいです。
📌 筆者について
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