新しいメンバーが入ってくるとき、マネージャーや既存メンバーが一番気になるのは「ちゃんと馴染んでくれるかな?」というところだと思います。特に若手や新人の時期は、緊張や遠慮からなかなか本音が出せなかったり、仕事以外の時間で孤立しがち。
私もマネージャー時代、毎回「どうしたらこの人たちが自然に溶け込めるかな?」と試行錯誤してきました。
今回は、そんな経験をもとに「若手・新人が馴染みやすいチームのポイント」を整理します。
1. “雑談”のハードルを下げて、居場所づくり
まずはやっぱり雑談です。
業務の話だけだと、どうしても「仕事仲間」で止まってしまう。
朝の「おはよう」、ちょっとした週末の話、趣味や最近見た映画の話題など、なんでもない会話が“壁を壊す”第一歩です。
- 出社しているなら、ランチやちょっとしたカフェ休憩に誘う
- オフィスにフリースペースがあるなら、何人か集めて雑談タイムを作る
- リモートワークなら、「雑談用Web会議室」や“コーヒーブレイク”と称して雑談の時間をつくる
こうした「業務外のゆるい接点」があることで、自然と打ち解けやすくなります。
とくに新しい人がいるときは「最近慣れてきた?」「困ってることない?」とさりげなく声をかけるだけでも安心感が生まれます。
2. “責任ある仕事”と“チームのメイン業務”に早く関わってもらう
「新人だから雑用から…」と分けるより、できるだけ早く主担当や責任あるポジションを任せてみるのがおすすめです。
もちろん、最初からすべてを丸投げはしません。
メイン業務やプロジェクトにベテランや自分がサポートでつく形をとりつつ、あえて「やってみて」とお願いしていました。
- 新人・若手でも、できる範囲でプロジェクトの主担当や部分責任者にしてみる
- お客様対応など難易度が高い場合は、最初は社内プロジェクトや裏方の主担当から始める
- 必ず教育係や“ブラザー・シスター”のような形で、すぐに相談できる先輩をつけておく
こうすることで、新人本人の成長スピードが上がるだけでなく、既存メンバーも「新人に教える・任せる」マインドが育っていきます。
ベテラン側には、事前に「新人のサポートをお願い!評価にもつなげるね」と伝えるのもポイントです。
もしも難易度的に任せられる業務が1つも絞り出せない場合でも、OJTとして素早く業務に参画させることは大切です。
3. “質問しやすさ”は徹底して守る
「聞きづらい」「何度も同じことを聞くのが怖い」と思わせない空気づくりは超重要です。
- 「何度聞いてもOKだよ」
- 「私も昔は何も分からなかったし、気にしなくて大丈夫」
- 「むしろ気になったらどんどん聞いて」
こうした言葉をくり返し伝えていました。
そして、年齢や職歴でマウントを取らない。
ベテランや年上の新人がいても、「経験値が違うだけ」と割り切るのが大切です。
何歳になっても経験したことがないことは初めてです。
「年上なのにこんなことも…」といった偏見は絶対NG。人によって吸収スピードも違うので、根気よくサポートしていく意識をチーム全体で共有しましょう。
4. “全員でサポートする”文化をつくる
誰か一人の「新人担当」ではなく、チーム全体で「新しい仲間を育てる」空気があると、自然と安心できます。
- チャットや朝会などで「わからないことがあれば、誰でもOK!」と伝える
- フォローしたら「ありがとう!」をきちんと伝える
- ベテランからも「何か手伝えることあれば言ってね」と声をかける
こうした積み重ねが「みんなで支え合う」雰囲気になります。
新しい人が「自分がいていいんだ」と感じられるきっかけになります。
5. “振り返り”や“感謝”を意識して伝える
慣れてきたころには、「最近よくがんばってるね」「助かってるよ」と言葉でしっかり伝えましょう。
うまくいかなかった場面でも、「今回は難しかったけど、次はこうしてみよう」「チャレンジしたことが大事だよ」と、前向きなフィードバックを意識します。
小さなことでも感謝を言葉にすると、自信やモチベーションにつながり、次のチャレンジへの原動力になります。
おわりに
若手や新人が馴染みやすいチームって、特別なスキルや制度がなくても、“安心して過ごせる雰囲気”や“チャレンジを応援する空気”があるかどうかだと思います。
- 雑談や声かけで壁を壊す
- 仕事を任せて信頼する
- 何度でも質問できる安心感
- みんなで支える文化
- 感謝や成長の実感をしっかり伝える
こんな小さな積み重ねで、「居場所」や「やりがい」が生まれます。
自分なりの“新人ウェルカム文化”、ぜひ取り入れてみてください!
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