会議になると、決まって黙ってしまう人、いませんか?
「〇〇さん、どう思う?」と聞いても、「あ、特にないです」と言われてしまうと、なんとなく気まずい空気になる。
発言が少ない=やる気がない?意見がない?
そんな風に受け取られてしまうこともありますが、マネージャーとしては安易にそう決めつけてはいけません。
私の経験上、“会議で黙る人”には、それぞれに理由があります。
そして、その空気を変えるのは、マネージャーの仕掛け方次第だと思っています。
この記事では、会議でなかなか発言しないメンバーが、自然と「話したくなる」ような空気をつくるために、私が意識してきたことをまとめてみます。
黙ってしまうのには「理由」がある
まず、黙ってしまうメンバーを見て、
「やる気がないんじゃ?」と感じることもあるかもしれませんが、
実際は、以下のようなさまざまな理由があることが多いです。
- 発言のタイミングがわからない(話に割って入るのが苦手)
- 自分の意見に自信がない(否定されたくない)
- 過去に話して微妙な空気になった経験がある
- 会議の目的や自分の役割が不明瞭
- 単純に、何を話せばいいかわからない
こういった「心理的なハードル」がある状態では、発言を促しても効果は薄いです。
なので、マネージャーとしては「場の空気」を整えることが何より大切になってきます。
私が実践していた「空気づくり」の工夫
1. “話す前提”をなくす
まず、会議に参加する=発言しなきゃいけない、というプレッシャーを減らすこと。
たとえば私は、「意見がなくてもOK」「聞いてくれてるだけで助かる」といったスタンスを、最初にしっかり伝えるようにしていました。
「全員発言が正解」ではなく、「必要なときに必要な発言がある」がベスト。
無理に発言させないことで、逆に安心して発言できる空気ができることもあります。
2. “事前インプット”を用意する
会議の場で「急に考えて発言してね」は、思った以上にハードルが高いです。
なので、事前に議題や資料、問いかける内容を共有しておくことで、考える時間を作るようにしていました。
「〇〇について、何か気になる点あったら当日教えてね」
「この中で、特に重要だと思った項目を当日話せると嬉しい」
といった声かけを添えるだけでも、心の準備ができて、発言につながりやすくなります。
3. 「否定しない」が大前提のルールにする
会議中、意見を出したときに「それ違くない?」と言われた経験があると、次から黙ってしまうのは当然です。
私のチームでは、意見を出すときのルールとして、
- 他人の発言を否定しない
- 否定するなら代替案を出す
- 全員の意見に「ありがとう」を返す
といった“場のマナー”を自然と根付かせるようにしていました。
特に新しいアイデアや改善案が求められる場面では、
「どんな意見も大歓迎」「むしろ視点が違うほうがありがたい」と伝えると、発言しやすい雰囲気が生まれます。
4. “引き出し方”を工夫する
会議で「〇〇さん、何かありますか?」と急に聞くと、多くの人は戸惑います。
なので、私はこんなふうに工夫していました。
- 「〇〇さん、この前こんなこと言ってたよね?それって今回の話にも関係あると思うんだけど、どう思う?」
- 「△△の部分、〇〇さん得意だと思うんだけど、アイデアあるかな?」
すでに知っている強みや過去の言動を引き合いに出すことで、「自分のことを見てくれてる」と感じてもらえるし、話すハードルも下がります。
5. “発言のフォロー”を必ず入れる
一度意見を出してくれたら、それを「拾う」ことが超重要です。
- 「なるほど、それ良い視点ですね」
- 「確かに、そういう考え方もあるね」
- 「今の意見でちょっと他の案も思いついた!」
など、どんな意見でも前向きに拾ってあげること。
これを繰り返すと、「ここは話しても大丈夫な場所なんだ」と安心感が生まれます。
発言の有無よりも「姿勢」を見よう
黙っている=関心がない、ではありません。
うなずいて聞いてくれていたり、メモを取っていたり、何かをじっくり考えていたり。
会議中の“発言以外のサイン”を見逃さないことも大切です。
そういう人には、1on1などの別の機会で「会議のときどう思ってた?」と聞いてみると、驚くほど深い視点が返ってきたりします。
「全員が話す」ことがゴールではない
最後に。
会議で全員が発言する=いいチーム、とは限りません。
大事なのは、「話したいときに話せる空気があること」。
無理やり引き出すのではなく、自然と「言いたくなったら言える」
そんな空気をつくっていくことが、マネージャーの大事な仕事だと思います。
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