マネージャーとしてチームを率いていると、目の前の業務を回すことに必死で、つい忘れがちになるのが「感謝の言葉」。
でも実は、この「ありがとう」の一言が、チームの空気を大きく変える力を持っていることに気づかされる瞬間がたくさんありました。
今回は、私自身のマネジメント経験から感じた「ありがとう」の大切さ、そしてチームでの実践例や意識していたポイントをまとめます。
「ありがとう」を言わないと、どうなる?
そもそも、感謝の言葉を意識していないとチームの空気感がどうなるかというと……
- やってもらったことが“当たり前”になっていく
- 誰も褒められない・認められない
- 成果を出しても「もっとやれ」と言われるだけ
- 「頑張っても報われない」と感じてしまう
こんな状況が続くと、メンバーのモチベーションは下がり、だんだん「言われたことだけをやる」チームになっていきます。
最悪の場合、「なんで私ばっかり頑張らないといけないんだろう」という不満が溜まり、チームの雰囲気がギスギスしてしまうことも。
「ありがとう」でチームの空気が変わった瞬間
私がマネージャーをしていたとき、意識して「ありがとう」を口にするようになってから、明らかにチームの雰囲気が変わったなと感じたことがあります。
たとえば、いつも地味なタスクをこなしてくれているメンバーに対して、
「あの件、細かいところまで対応してくれてありがとう!おかげで助かったよ」
と伝えたとき、そのメンバーがぱっと笑顔になり、
「いえいえ、こちらこそ気づいてくれてありがとうございます!」と返してくれたんです。
それ以来、他のメンバーにも「ありがとう」を意識して伝えるようにしたら、チーム全体的に
- 「さっきの資料、ありがとう!」
- 「代わりに確認してくれて助かりました」
みたいな声が増えていきました。
結果的に、チームの雰囲気がやわらかくなり、困ったときに「助けて」が言いやすい空気ができたんです。
「ありがとう」は、チーム全体の潤滑油
感謝の言葉があると、どんな良いことが起きるのか?
私が感じたのは、以下のような効果です。
- 承認欲求が満たされ、やる気が続く
「頑張ったね」「助かったよ」と言われるだけで、人は「もっと頑張ろう」って思えるもの。
特に、自分では当たり前と思ってやっていることに対して感謝されると、「ちゃんと見てくれてるんだな」と安心感にもつながります。 - 「助け合い」が自然と生まれる
「ありがとう」をきっかけに、メンバー同士で「手伝おうか?」という声がけが増える。
感謝の言葉が、チーム内の信頼関係を育てるきっかけになるんです。 - 心理的安全性が高まる
感謝の言葉が飛び交うチームは、失敗や不安を相談しやすい空気が作られます。
「ここなら安心して意見が言える」「困ったことを相談できる」って思えるのは、実はすごく大事なこと。
「ありがとう」を言葉にするために意識していたこと
感謝を伝えるって、シンプルだけど実は難しいこともあります。
私が意識していたポイントは以下です。
- 当たり前にしない
「資料作成お疲れさま」「納期間に合わせてくれてまじでありがとう!」
どんな小さなことでも、やってもらったことは感謝する。
「言わなくても分かるでしょ?」ではなく、ちゃんと言葉にして伝える。 - “その場で”言う
感謝は鮮度が大事。時間が経つと忘れちゃうし、気持ちも薄れてしまう。
何かしてもらったら、できるだけその場で「ありがとう!」を伝える習慣をつけていました。 - 具体的に感謝する
「ありがとう」だけじゃなくて、「どこが助かったか」「何をしてくれて嬉しかったか」を伝えると、より相手に響く。
例:「タイトなスケジュールの中で、丁寧に作業してくれてありがとう!」「急なお願いにも関わらず、笑顔で対応してくれてめっちゃ助かった~」
感謝を伝えるのが苦手な人へ
「なんか照れくさい」「どう伝えたらいいかわからない」という人もいると思います。
私も最初はそうでした。
そんなときは、無理に大げさな言葉を使う必要はなく、シンプルに
- 「助かりました!」
- 「ありがとう、めっちゃ助かった!」
これだけで十分です。
大事なのは、完璧な言葉を選ぶことよりも「気持ちを素直に伝える」こと。
言葉にしようと思うだけで、相手への見方や意識も変わっていきます。
おわりに|「ありがとう」はチームを変える最初の一歩
マネージャーとして、何か特別なスキルや知識がなくてもできること。
それが「ありがとう」を伝えることだと思います。
実際、私がいろんなチームで経験してきた中で、
「ありがとう」が飛び交うチームは、例外なくメンバー同士の信頼が厚く、雰囲気が良い。
逆に、感謝の言葉が少ないチームは、何となくギスギスしていて、ちょっとしたトラブルが大きな問題に発展しやすい傾向がありました。
「ありがとう」の一言でチームの空気は変わる。
これを改めて感じてもらえたら嬉しいです。
まずは明日、ひとりにでもいいので、「ありがとう」を伝えてみませんか?
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